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猫が呼ぶの・・・


by rudyn
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パーム(27)午前の光Ⅰ

知っている人は少ないと思いますがあえて。

久しぶりの新刊が発売されていて、ノーチェックだったものだから、書店の店頭で叫ぶところでした。
前の26巻が出たのが2000年だから、もう5年ですか?

初めて、これを知ったのはもうずいぶん前になりますが、友人に薦められたのがきっかけです。
最初の1巻を読んだときの感想は、
「なんじゃ、これは?」
でした。
登場人物はとても個性的なうえ、彼らの背景についてはほとんど説明がなく、何回も続いているドラマを途中から見たような印象を受けました。
他人の人生にいきなり引きずりこまれたような・・・読み手を戸惑わせる間もなく、気づいたらみんな話の中の住民になっていた、そんな感じです。
事実、ストーリーも、登場人物が一人また一人と巻き込んで行くのだから、疑似体験のような妙な話。
人間と深く関わることにより、誰かを傷つけたり傷つけられたりすることを恐れて、誰とも関わらないようにしていた登場人物は、通常考えられないほどの濃い人間関係(恋愛ではなく)を結ぶことになっていくなど、人間関係のあり方を考えさせられます。

非常にストーリー・絵柄とも個性的なコミックで、私は、キャラクターたちの非凡な人生からジョン・アーヴィングを連想するのですが、コミックというよりは小説のような、それも難しいタイプのものを読んだ気になります。

で、今回の新刊については、登場人物がまた一人増えますが、これまでペンディングされていた主人公の一人の過去における問題について、正面から向き合わざるを得なくなったという展開です。
過去が恐ろしく深刻なだけに与える影響はとても大きいはずなのに、いたって冷静で軽く応対しているのが、この先の悲劇かそれに近いかたちの将来を案じさせるように思います。
by rudyn | 2005-01-30 13:11 | 日記